休職期間には上限がある。就業規則を読んで青ざめた話

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休職に入ってしばらく経った頃、私は自分の会社の就業規則を読み返して、血の気が引きました。

そこに書かれていた休職期間が、自分が漠然と思っていたよりずっと短かったのです。「療養に専念してください」と言われていたのに、専念していられる期間には、はっきりと終わりが決まっていました。

休職について調べると、傷病手当金や復職の流れの情報はたくさん出てきます。でも「休職できる期間そのものに上限がある」という話は、当事者になるまで意識していませんでした。ここでは、その仕組みと、知っておいたほうがよかったことを書きます。

※これは一人の当事者の体験談と、一般的な制度の説明です。実際の取り扱いは会社ごとに異なります。必ずご自身の就業規則を確認してください。

そもそも、休職は法律で決まった制度ではない

これが、私が一番誤解していた点です。

有給休暇や産前産後休業のように法律で定められた制度と違い、私傷病による休職制度は、会社に設置が義務づけられているものではありません。制度を設けるかどうか、設けるとしてどんな内容にするかは、基本的に会社が決めることとされています。

つまり、「休職制度が手厚い会社」もあれば、「そもそも休職制度がない会社」もありうるということです。制度を設けた場合には就業規則に定めることになるため、確認先は就業規則になります。

出典:[京都うえにし社会保険労務士事務所「就業規則における『休職制度』の規定例と運用上のポイント」](https://uenishi-sr.jp/20220328/)

期間の目安は、会社の規模や勤続年数で変わる

では、実際にはどれくらいの期間が設定されているのか。社労士事務所の解説では、実務上の目安として次のような例が挙げられています。

  • 大企業:2年以内
  • 中小企業:6か月〜1年以内
  • 勤続年数による差の例:入社3年未満は6か月以内、入社3年以上は1年以内

ここで重要なのは、勤続年数によって期間が変わる規定が珍しくない、という点です。入社して間もない時期は、休職できる期間が短く設定されていることがあります。

転職して間もない時期に体調を崩した場合、この点はとくに確認しておいたほうがいいと思います。前の職場の感覚のままでいると、想定と大きくずれる可能性があります。

期間が満了したら、どうなるのか

ここが、私が青ざめた部分です。

就業規則の規定例では、休職期間が満了しても傷病が治らず就業が困難な場合には、「休職期間の満了をもって退職する」と定められていることがあります。いわゆる自然退職の扱いです。

解雇のように会社が何かを通告するわけではなく、規定に従って自動的に雇用が終わる。だから「気づいたら期限が近づいていた」ということが起こりえます。

私の場合、療養に集中したい時期に、この期限のことが常に頭の片隅にありました。焦りは回復にとってプラスにはなりません。それでも、知らないままでいるよりはずっとよかったと思っています。

休職期間と傷病手当金は、別の話

もう一つ、混同しやすいポイントがあります。

休職できる期間(会社の制度)と、傷病手当金を受け取れる期間(健康保険の制度)は、まったく別のものです。

傷病手当金は、支給開始日から通算して1年6か月が支給期間とされています。2022年1月からは通算化され、途中で就労するなどして支給されない期間があった場合、その分を繰り越して受け取れる形になりました。

出典:[厚生労働省「傷病手当金の支給期間の通算化について」](https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_22308.html)(令和4年1月1日施行)

つまり、健康保険の側は最長1年6か月分を見てくれるのに、会社の休職制度は半年で終わる、ということが起こりえます。この2つの期間がずれていることは、早めに知っておいたほうがいい情報でした。

私が確認しておけばよかったこと

いま同じ立場に戻れるなら、休職に入る前後の早い段階で、次の点を確認します。

  • 休職制度があるか、期間は何か月か
  • 勤続年数によって期間が変わる規定になっていないか
  • 休職期間が満了したときの取り扱い(自然退職になるのか)
  • 復職の判断は誰が、どういう基準で行うのか(産業医面談の有無など)
  • 期間の途中で復職し、再び休職した場合、期間は通算されるのか、リセットされるのか

最後の「通算されるかどうか」も、意外に重要です。同一または類似の傷病で再び休職した場合、前回の休職期間と通算する、という規定が置かれていることがあります。この場合、一度復職して再発すると、残り期間がほとんどない、という事態も起こりえます。

確認の仕方と、相談先

就業規則は、従業員がいつでも見られる状態にしておくことが会社に求められています。社内のイントラネットに置かれていることもあれば、人事に頼めば写しをもらえることもあります。

体調が悪いときに規則を読み込むのはしんどい作業です。私も、目が滑って何度も同じところを読み返しました。無理なときは、家族に一緒に見てもらう、あるいは人事に「休職の期間と、期間が終わったときの扱いを教えてください」と質問する形でもいいと思います。

どうしても会社に聞きづらい場合や、説明に納得がいかない場合には、労働基準監督署の相談窓口や、各都道府県の労働局にある総合労働相談コーナーといった公的な窓口もあります。

おわりに

休職の話になると、どうしても「どう休むか」「どう戻るか」に意識が向きます。でも、その手前に「どれくらい休めることになっているのか」という前提があります。

この前提を知らないまま療養に入ると、期限が近づいたときに一気に焦ることになります。私がそうでした。

しんどい時期に読むには重い話ですが、早めに知っておくほど、選択肢は多く残ります。もし今、休職に入る前後にいる方がいたら、体調が少しでも動く日に、就業規則の休職の項目だけでも見ておくことをおすすめします。

期間の満了が近づいてきたときの選択肢

では、休職期間の終わりが見えてきたとき、どんな選択肢があるのか。私が実際に検討したのは次のようなものでした。

1. 期間内に復職する

もっとも標準的な道です。ただし、復職の可否は最終的に会社が判断します。主治医が「復職可能」と書いても、産業医の面談や会社の判断で時期がずれることはあります。

期限が迫っている状況で無理に復職すると、短期間で再び体調を崩すリスクがあります。私自身、この順番で失敗した経験があります。

2. 休職期間の延長を相談する

就業規則によっては、会社の判断で延長できる規定が置かれていることがあります。まず規定を確認し、可能性があるなら早めに相談したほうがいいです。期限の直前では、会社側も検討する時間が取れません。

3. 退職して、療養を続ける

期間内の復職が難しいと判断した場合の選択肢です。この場合、退職後の健康保険や年金の切り替え、傷病手当金を継続して受け取れるかどうかの確認が必要になります。

とくに傷病手当金については、退職日の設定によって結果が変わることがあります。日取りを決める前に、加入している健康保険に確認することをおすすめします。

4. 復職を試したうえで、改めて考える

いったん復職して、働きながら次を考えるという道もあります。収入が途切れにくい点はメリットですが、体調が整っていない状態での復職はリスクもあります。

焦って決めないための準備

どの選択肢を取るにしても、期限が迫ってから考え始めると、判断は必ず雑になります。

私がおすすめしたいのは、体調が少し動く日に、次の3つだけ確認しておくことです。

  • 自分の休職可能期間は、いつまでか(日付で押さえる)
  • 期間が満了したらどうなるか(自然退職か、他の扱いか)
  • 延長の規定があるか、あるとしたら誰に相談するのか

この3つが分かっているだけで、判断に使える時間がまるで変わります。療養中に制度の話を考えるのは重い作業ですが、期限だけは早めに知っておいて損はありませんでした。

※この記事は個人の体験と、公開情報に基づく一般的な説明です。法的な助言ではありません。実際の取り扱いはご自身の就業規則および会社の判断によります。判断に迷う場合は、人事・産業医・公的な労働相談窓口などにご相談ください。

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