休職中に会社から届く書類の見方|給与が止まっても、社会保険料の請求は来る

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休職中は給与が止まりますが、健康保険と厚生年金の保険料は止まりません。在籍している限り被保険者のままなので、休職に入る前の標準報酬をもとにした保険料が毎月かかり続けます。給与から天引きできないぶん、会社が立て替えて後から請求するか、自分で振り込むかたちになります。この記事では、休職中に会社から届く書類が何を意味しているのかを、給与明細・保険料の請求・源泉徴収票の3つに分けて整理します。

私は休職に入ってしばらくして、金額の書かれた紙が届いて驚いた側です。収入が止まったのだから出ていくものも止まると、なんとなく思っていました。読み方が分かっていれば構えられたので、同じ順番で書いておきます。

① 給与明細:支給額ゼロでも届く

休職中でも在籍はしているので、多くの会社では給与明細そのものは発行され続けます。見るべきなのは支給欄ではなく控除欄です。支給額がゼロでも、控除欄には健康保険料・厚生年金保険料・介護保険料(40歳以上)が並んでいることがあります。

差し引きがマイナスになるため、その分が「立替金」「未収金」などの名前で会社への負債として積み上がっていきます。ここが後で請求されるお金です。

② 社会保険料の請求:なぜ止まらないのか

根拠は古い通知にあります。厚生労働省が公開している昭和26年3月9日付 保文発第619号「休職と被保険者資格について」では、病気休職のように一時的に賃金の支給が止まっているだけの場合は「使用関係は存続するものとみられる」として、被保険者資格は続くとされています。そのうえで、保険料は「賃金支給停止前の標準報酬に基く保険料を折半負担し事業主はその納付義務を負う」と書かれています。

つまり、

  • 保険料の計算のもとになるのは、休職前の標準報酬(休職して収入が減ったから安くなる、という仕組みではない)
  • 会社と本人が半分ずつ負担する
  • 国に納める義務を負っているのは会社。だから会社はいったん全額を納め、本人負担分をあとから回収する

回収のやり方は会社によって違います。毎月振り込む、復職後の給与から分割で天引きする、退職時にまとめて精算する、といった運用があります。どの方式になるかは、休職に入るときに総務へ確認しておくのがいちばん確実です。放っておくと、思っていたより大きな金額が一度に来ることがあります。

なお、傷病手当金は標準報酬日額のおよそ3分の2です(協会けんぽ)。そこから保険料の本人負担分が出ていくので、手元に残る額はさらに下がります。家計を見積もるときは、ここを引いた額で考えたほうが実態に近くなります。

③ 住民税:天引きできなくなると、自分に請求が来る

住民税は通常、給与から天引き(特別徴収)されています。給与がゼロになると天引きができないため、会社への一括徴収になるか、自分で納める普通徴収に切り替わるかのどちらかになります。切り替えのタイミングと方式は会社と自治体の運用によるので、ここも総務に聞くのが早いです。

住民税は前年の所得にかかるので、働けていた年の分の請求が、働けない年に届くという時間差があります。退職後の住民税については別の記事にまとめています。

④ 源泉徴収票:傷病手当金は「収入」として載らない

国税庁のタックスアンサー No.1400 のQ&Aでは、療養の給付を受けている間に給与の支払いを受けない場合の傷病手当金は非課税とされています(根拠として所得税法および健康保険法の規定が挙げられています)。

そのため、

  • 傷病手当金は源泉徴収票の「支払金額」には入りません
  • 確定申告で収入として申告する必要もありません
  • 結果として、その年の「所得」は実感よりかなり低い数字になります

これは悪い話ばかりではなく、翌年の住民税や、保育料・各種減免の判定など「所得」で決まるものが軽くなる方向に働きます。逆に、住宅ローンの審査など収入証明が要る場面では不利に働きます。どちらも同じ理由から来ています。

⑤ 年末調整:提出書類は届くが、還付が出ないことがある

在籍しているので、年末調整の書類は例年どおり届くことが多いです。ただし、その年に給与の支払いがほとんどなければ源泉徴収された所得税もほぼゼロなので、生命保険料控除などを書いても返ってくるお金が生じないことがあります。控除は「払った税金を返す」仕組みなので、払っていなければ返るものがない、という理屈です。

ただし、医療費控除のように確定申告でしか使えないものや、配偶者に所得がある場合の考え方など、世帯で見ると状況が変わることがあります。具体的な判断は税務署か税理士に確認してください。ここは個別事情で大きく変わるところです。

届いたら見るところ、まとめ

届くもの見るところ聞く相手
給与明細支給欄ではなく控除欄。立替金・未収金の累計会社の総務・人事
社会保険料の請求計算のもとは休職前の標準報酬。回収方式(毎月/復職後/退職時)会社の総務・人事
住民税の納付書前年の所得にかかっている。普通徴収に切り替わったか会社の総務・市区町村
源泉徴収票傷病手当金は載らない。支払金額が実感より小さい会社の総務
年末調整の書類給与ゼロなら還付が生じないことがある税務署・税理士

休職中は、判断力も気力も落ちています。全部を理解しようとせず、「これはいくらの請求なのか」「いつまでに払うのか」の2つだけ確認して、あとは落ち着いてからで十分でした。分からない紙が来たら、開けて総務に写真を送って聞く、くらいでいいと思います。

制度の運用は会社・健康保険組合・自治体によって違いがあり、税の扱いも個別の事情で変わります。この記事は私が調べて確認した範囲のまとめなので、金額や期限にかかわる判断は必ず会社の総務、加入している健康保険、市区町村、税務署で確認してください。体調のことは、ひとりで抱えずに主治医や相談窓口に相談してみてください。

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