傷病手当金は自分で申請できる|医師の記入ページを会社に渡さずに済む

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傷病手当金の申請書には、医師に書いてもらうページがあります。そこには傷病名が入ります。これを会社に渡したくない、と考える人はいると思います。私もそう考えた一人です。

結論から書くと、協会けんぽの電子申請は加入者本人が使うもので、会社に渡すのは事業主記入用のページだけで足ります。医師が書いたページは、自分で病院から受け取って、自分でアップロードします。

※これは一人の当事者が調べて整理したものです。制度の内容は変わることがあるため、実際の申請では必ず公式サイトで最新の情報をご確認ください。また、健康保険組合に加入している場合は取り扱いが異なることがあります。

申請書は「誰が書くか」で分かれている

健康保険傷病手当金支給申請書は、記入する人ごとにページが分かれています。

  • 被保険者(本人)が記入するページ
  • 事業主(会社)が記入するページ
  • 療養担当者(医師)が記入するページ

会社が申請を代行する形だと、この全部をいったん会社に集めることになります。医師のページも会社を通ることになるわけです。

電子申請は「事業主は使えない」

協会けんぽの電子申請サービスについて、公式サイトにはこう書かれています。利用できるのは健康保険の被保険者と社会保険労務士で、事業主や船舶所有者は電子申請することができません。

つまり電子申請は、そもそも本人が申請主体になる仕組みです。会社に代わりに出してもらうものではありません。

アップロードするのは2枚

電子申請で傷病手当金を出すとき、アップロードが必要とされているのは次の2つです。

  • 事業主記入用
  • 療養担当者記入用

該当する人だけ、これに加えて健康保険加入状況等申告書や、年金・労災に関する書類などが必要になります。

ここで大事なのは、この2枚を集めるのは本人だということです。事業主記入用は会社に書いてもらう必要がありますが、療養担当者記入用は病院から自分が受け取ります。会社を経由させる必要はありません。

事業主記入用ページには何が書かれるか

会社が記入するのは、大きく分けて次の内容です。

  • 申請している期間に出勤した日があるか
  • その期間に給与や手当を支払ったか、支払った場合はいくらか

見落としやすいのが2つ目です。休んでいる間も家族手当のような固定の手当が支給されていると、それが「報酬あり」として記載されます。

傷病手当金は、給与の支払いがあっても、その額が傷病手当金より少なければ差額が支給されるという仕組みです。手当が出ていたから全額もらえなくなる、というわけではありません。ただし金額は調整されます。会社から返ってきたページに金額が入っていたら、自分の申請画面でも「報酬を受けた」と答えることになります。

添付書類は増やしすぎない

不安から「念のため」と多めに添付したくなりますが、協会けんぽの申請書のページには、不要な書類の添付はしないよう注意書きがあります。

必要なのは事業主記入用と療養担当者記入用の2つで、あとは自分に該当するものだけです。初めての申請で以前に別の健康保険に入っていた場合は、健康保険加入状況等申告書を添えます。

「会社で申請します」と言われたときは

会社に事業主記入用のページだけを返してほしいと依頼すると、「電子データでの対応はできない」「紙の申請書を返送してくれれば会社で申請する」と言われることがあります。

これは会社が意地悪をしているというより、担当者が電子申請の仕組みを知らないだけ、ということが少なくないと思います。先に書いたとおり、事業主はそもそも電子申請を利用できません。

できるのは、加入している健康保険の窓口に自分で確認して、その内容を添えてもう一度お願いすることです。「本人が電子申請するので、事業主記入用の証明だけいただきたい」と用件をはっきりさせると、話が進みやすくなります。

それでも会社に伝わることはある

この方法は万能ではありません。次のような場合は、会社が病名を知る、あるいは知り得る状態になります。

  • 休職の手続きで、すでに会社へ診断書を提出している場合
  • 会社の就業規則や運用で、傷病手当金の申請を会社経由に限っている場合
  • 産業医面談などを通じて情報が共有される場合

会社に何を出しているかは、人によって違います。まず自分が会社に何を渡しているかを確認したうえで判断するのが確実だと思います。

退職後は事業主の証明がいらなくなる

退職して被保険者の資格を失ったあとも、条件を満たせば傷病手当金は継続して受け取れます。公式サイトに書かれている条件は次の2つです。

  • 退職日までの被保険者期間が継続して1年以上あること
  • 退職日の前日に傷病手当金を受けているか、受けられる状態であること

この継続給付の場合、会社に在籍していないので、事業主記入用の証明は不要になります。

なお支給期間は、支給を開始した日から通算して1年6か月です。

つまり、会社とのやりとりが必要なのは在籍している期間の分だけです。ここが分かっているだけでも、少し気が楽になると思います。

おわりに

傷病手当金の手続きは、体調がいちばん落ちている時期に重なります。そのうえ「会社に知られるかもしれない」という不安まで抱えると、申請そのものを諦めたくなります。

少なくとも協会けんぽについては、本人が電子申請する形を選べば、会社に渡す書類は事業主記入用のページだけで済みます。この記事が、その判断の材料になればと思います。

この記事は制度の一般的な仕組みを整理したもので、個別の判断についての助言ではありません。手続きの可否や必要書類は、加入している健康保険の窓口にご確認ください。体調のことは、必ず主治医とも相談しながら進めてください。

📝 制度の説明はここまでです。実際に自分で申請してみて戸惑ったことは、こちらの記事に別でまとめています。手続きの流れではなく、やってみて初めて分かったことのほうです。

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