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本カテゴリの最初の1冊として、田中圭一さんの「うつヌケ うつトンネルを抜けた人たち」(KADOKAWA)をご紹介します。マンガ形式で読みやすく、ドラマ化もされた、知られた作品です。
どんな本?
著者自身のうつ病体験を入り口に、様々な立場の人たちが、どのようにうつのトンネルを抜けたのかを取材したオムニバス形式の作品です。最初の数話は著者自身の体験が描かれ、その後、ミュージシャンや小説家、精神科医、思想家など、職業も年代もばらばらな人たちの体験談が続いていきます。1人ひとりの「抜け方」がまったく違うのが印象的で、共通しているのは「こうすれば絶対治る」という単一の正解を提示していない点だと感じました。
印象に残った視点
読んでいて特に印象に残ったのは、「頑張って抜け出した」という体育会系のサクセスストーリーではなく、「気づいたら、いつのまにか抜けていた」というケースが多く描かれている点です。渦中にいるときは出口が見えず、「一生このままなのでは」という感覚になりがちですが、複数の実例を通して「トンネルには必ず出口がある」ことを、押し付けがましくない形で伝えてくれる本だと思います。また、登場する人たちの「うつになった経緯」も様々で、仕事のプレッシャー、環境の変化、身近な人との関係など、原因が一つに限られないことも実感できました。
この本を選んだ理由
・マンガ形式なので、集中力が下がっている時でも比較的読みやすい
・1人の体験談ではなく、複数人のケースが収録されているので、「回復の仕方は1つじゃない」と実感できる
・無理なポジティブ思考を押し付けない、ありのままの苦しさも描かれているところに安心感がある
・1話あたりが短く区切られているため、体調が悪い日は無理に読み進めず、少しずつ読めるのも自分に合っていました
どんな人におすすめか
「自分だけがこんな状態になっている」という孤独感が強いときや、「頑張って治す」という発想に少し疲れてしまったときに手に取ると、気持ちが軽くなる本だと思います。逆に、具体的な治療法やセルフケアの方法を体系的に知りたい、という目的で読むと物足りなく感じるかもしれません。あくまで「回復の実例集」として読むのが合っていると感じました。
読む際の注意点
ここでの紹介はあくまで一個人の感想であり、医学的な効果を保証するものではありません。合う合わないは人それぞれだと思いますので、気になった方は書店や図書館で一度手に取ってみていただければと思います。
手に取ってみたい方へ
コミックエッセイなので、まとまった活字を読む集中力が戻っていない時期でも、比較的ページを進めやすい一冊だと思います。私の場合も、長い文章が頭に入らなかった時期に読めた数少ない本のひとつでした。
とはいえ、本の内容が合うかどうかは人によります。書店や図書館で少し中を見てから決めても遅くありません。
価格:1320円 |
※上記は広告リンクです。症状が重い時期は、読書よりもまず休むこと、そして医師に相談することを優先してください。

